国内その他メーカー
農業史に刻まれた撤退メーカーも
国内のトラクターなどの農業機械のシェアはクボタが全体の約4割、イセキ、ヤンマー、三菱が残りのシェアを分け合う形で4強とも呼ばれています。
しかし、国産の農機具メーカーはこの4社以外にもあります。
倒産や農機具から既に撤退しているメーカーもありますが、中古市場では4大メーカー以外の流通も目立っています。
ここでは国産の4大メーカーを除いた農機具メーカーを紹介していきます。
大手以外の国内メーカー
- 日ノ本(ヒノモト)
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1960年代創業の老舗でしたが、その後1990年に日立建機に買収され2009年に農機事業から撤退しています。
60年代は自社製品の開発に力を入れていましたが、流通している商品はトラクターが中心でそのほとんどはクボタのOEMモデルです。そのため、中古市場ではクボタと同等の評価を得ている人気が高いブランドです。
日ノ本の自社製造モデルは流通量が少なく、中古の価値は非常に低いです。
- IHIシバウラ
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かつてはシバウラブランドで管理機やトラクターの自社開発を行っていましたが、1991年にヤンマーと業務提携し段階的に自社開発から撤退。
現在の新車製品の多くはヤンマーからのOEMモデルです。ターフトラクターなどは一部は現在もシバウラの自社開発機械も新車ラインナップに並んでいます。
ヤンマーのOEMモデルになる前のシバウラブランドはトラクターを中心に現在も中古市場に多数あります。ただし、国内外問わず需要が低く、古いモデルも多い事から値崩れを起こしています。
シバウラ時代のトラクターは部品の供給量も少なくなってきているので、安い中古を見つけても購入は慎重に検討した方がいいでしょう。
- スズエ(鈴江農業機械製作所)
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中古市場では、一部で「スズエ」というブランドのトラクターなどが出回っている事があります。
スズエは1979年に倒産していて、スズエ製品は全て70年代以前のモデルです。
一部で自社開発も行っていましたが、多くは当時の三菱からのOEMモデルが中心です。ただし、一部の発展途上国では輸出需要がある事から、古くて不動車でも多少の買取査定額が付く事が多いです。
- サトー(佐藤農機鋳造株式会社)
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サトーはかつて佐藤農機という会社もあり、そこでトラクターの販売をしていました。
2003年には佐藤農機と合併して佐藤農機鋳造になり、現在は選別機などの処理機のみ製造しています。
中古トラクターの多くは70年代のモデルで、スズエと同様に三菱からのOEMモデルやエンジン供給を受けたモデルが多いです。中古市場の価値は低く、低価格で流通しています。